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精神科クリニカルパスを広めるための体制作り

4)パスのパス作成と管理(プロジェクトマネジメント)

 パスの開発にあたっては、パスの開発スケジュールを作成することをお勧めします。これは、目標管理を習慣化していくために必要なことで、パス開発に携わっていると、他の業務の仕方にも自然と良い変化が現れてきます。
 また、パスは一度作ったら終わりでなく、使用→評価→修正→使用→・・・とどんどん進化していくものです。複数のパスについて、同時進行でこのプロセスを管理するためにはパスのパスが必要で、これはまさにプロジェクトマネジメントなのです。個々のパスのメンテナンスに誰が責任を持つのか、全体の進捗管理はどの部署が行うかなど決めておく必要が出てきます。

5)チームメンバーの精選

 医師を含め、メンバーを誰にするかは悩みどころです。何か新しい役割を担ってもらいたい、勉強してきて欲しい、というような目的で若いスタッフが中心に選ばれてくることが多いのですが、その後パスが組織に速やかに広まるためには、初めはむしろ、管理的な立場にある人が積極的に参加する方が良いようです。
 また、医師、看護師、PSW以外の職種についても最初から担当者を決めておき、責任を持ってパスを広めてもらいます。特に診療報酬制度に精通した事務スタッフは欠かせないメンバーです。

6)情報ネットワークの準備と管理

  「知らない」、「そんなこと聞いてないから協力できない」という人は必ず出てきます。そのような事態に陥らないように、決定事項はもちろん進捗状況についても情報を常に発信し、求めれば自分からパスの情報にアクセスできるようなシステム作りを心掛けます。広報活動は教育的な側面も持っていますので、パス推進の重要な活動です。

5.おわりに

 当院では本年3月に電子カルテを導入しましたが、それに伴ってクリニカルパスも電子化しなければならなくなりました。e-パスへの移行によるもっとも大きな利点は、複雑なオーダがワンクリックで済まされることですが、この機能を活用するためには、紙のパスの時には曖昧なままにしておいた治療・ケアの内容をはっきりと決めなくてはなりません。例えば、"抗生剤"と記載してあったものを、薬品名、使用量、投与方法まで入力することを要求されます。近い将来、コンピューターの融通の利かなさが、精神科医療の標準化推進を強力に後押ししてくれることになるかもしれません。

参考

阿部俊子編.アウトカムから作成するクリニカルパス活用ガイド.照林社.2001

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

【掲載】2004年11月05日