Home > 薬剤業務 > 精神科薬物療法認定薬剤師・精神科専門薬剤師を目指す (PAGE 2)

精神科薬物療法認定薬剤師・精神科専門薬剤師を目指す

精神科専門薬剤師の今後

①薬学的管理とリスクとベネフィットのベストバランスの提案

 精神科の薬物療法は、長期にわたる。その中で、いかに安全に安心して薬を飲める薬を提供できるかが、今後の課題であると考える。新規抗精神病薬は、薬原性錐体外路症状が少なく、陰性症状の改善や認知機能の回復に有効な薬剤として登場してきたが、体重増加や血糖値上昇、高プロラクチン血症など、薬としてはまだまだ十分とはいえない。したがって、常にリスクとベネフィットのバランスを考慮する必要がある。今後、患者にとってより効果的で安全な薬物が開発されることが望まれる状況である。
 現在、入院患者については、定期的に血液検査が実施され、血糖値の管理がなされている。さらに当院では、「生活改善プログラム」表1)という患者と薬剤師を含めたスタッフのグループ活動の中で、体重や生活習慣の管理を実施している。また、外来では、薬剤師が「耐糖能チェックリスト」表2)を作成し、一部の抗精神病薬を使用している患者の血糖値の管理を実施している。さらに、2007年には、抗精神病薬を服用中の患者の、プロラクチンを測定し、高プロラクチン血症の調査を実施した。これから、その対策を医師や患者と検討していく予定である。
 精神科の薬物療法は、長期服用が必要であり、安全・安心という部分は、今後も最重要課題になる。したがって、リスクとベネフィットのバランスは常に必要であり、精神科専門薬剤師は、医師や患者と相談しながら、ベストバランスを提案していくことが、重要な役割であると考える。

生活改善プログラム
②外来での薬剤管理指導

 次に、これは私の妄想で終わるかもしれないが、「お薬相談外来」を実現できればと考えている。最近は、うつ病や統合失調症の患者が、入院することなく外来で治療が完結するケースが増えている。入院中であれば、服薬指導を実施することで、ある程度、病気のことや薬のことを伝えることができる。しかし、外来の窓口業務での短い時間では、説明しきれないことも多い。そのために「お薬相談外来」を実現したいのである。特に、うつ病は、服薬開始時期に服薬中断が多いといわれている。それは、患者の知識不足から、薬の副作用や依存性などを懸念したためと言われている。そのようなことを防ぐ意味でも、もう少し、外来患者との接点を多く持ちたいと考えている。さらに、医師や看護師と連携し、良いタイミングで外来患者に、情報提供し、充実した精神科薬物療法を実現したい。また、精神疾患に限らず、病気になったときに、その疾患を受け入れること自体に、時間が必要である。患者や家族が、ゆっくり理解して受け入れることができるように、外来でもサポートしていきたい。

PDFをご覧いただくには Acrobat Reader をインストールして下さい。get Acrobat reader