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戦略的病医院広報誌のつくり方
〜コミュニケーション及び情報発信の「核」として位置づける


広報誌は単なるツールでなく「病院の顔」
将来的には機能分化・多様化の時代へ

――実際に広報誌を発行する効果は、どのような形で表れるのでしょうか?
石田・ 確かに直接、患者増につながるわけではないし、医療安全に対する取り組みのように、医療ミス減少等の具体的な成果が目に見えるものでもありません。ただ医療現場で確実に広報誌を読むことを楽しみにしておられる患者はおられるし、「この記事は面白かったよ!」という声は常に聴こえてくるものです。病院職員も広報誌の内容に関心を持ち、有意義と思われる記事に関しては、患者へ補足説明することも必要かもしれません。ただ広報マインドがなくては、こうした丁寧なフォローはできません。
 病院広報誌を単なるツールではなく「病院の顔」として捉えて、マネジメントすることが必要になっていくわけです。広報誌は病院の理念の展開やブランド化、更に継続的に発行することで病院の歴史を作ることにもなりますし、様々な役割を担っているのです。

――最後にまとめとして、病医院広報誌の将来像について、ご意見を聞かせて下さい。
石田・ 最近では病院のCSRを目的にしたものや、求人広報に徹したもの等、目的を明確にして特化した媒体が作られるようになってきました。病院の広報誌も一つのコンセプトに特化したものへと機能分化し、多様化していくのではないでしょうか。
 これは一つのアイデアですが、競合しない幾つかの病院がボランタリー・チェーンのように協働して、一緒に広報誌を制作するような形も考えられます。要するにタイトルや表紙等は共通にして、各病院の紹介記事は独自のものに差し換えてつくるわけです。幾つもの病院が集まって知恵を出し合うことで中身も充実しますし、何よりも製作費をシェアしますからコスト削減にもなります。将来的には、そうした広報誌のつくり方も考える時期に来ているような気がしています。

(医療ジャーナリスト:冨井 淑夫)

■職種別広報業務分担例(みんなで担うべき広報活動)
●理事長・院長の広報業務 ●経営管理者の広報業務
*理念の制定・普及・浸透
*広報戦略の策定
*広報計画・予算の承認
*対外交流・マスコミ対応
*広報計画の企画立案 
*地域医療特性・ニーズの把握
*日常的マスコミ対応
*緊急時対応マニュアルの整備
*広報委員会の組織化
*広報予算の管理
●医療専門職の広報業務 ●医事・受付の広報業務
*患者の要望・ニーズの把握
*連携先・学術界への広報
*IC・CP等の広報的活用
*現場からの広報価値フィードバック 
*総合案内
*日常的診療案内業務
*個別受療ニーズの把握
*コールセンター機能
*各種メッセージの作成・案内
●広報担当の広報業務  
*広報ツールの企画・手配
*院内表示の企画・更新
*ホームページの管理・更新
*現場情報の取材・記事作成
*アンケートなどモニタリング
*自治体との良縁づくり活動
*市民講座の企画実務
*苦情処理
 
[参考資料]「日本HIS研究センタ−」が会員139医療施設に行ったアンケート調査結果
参考資料「アンケート結果グラフ5_8」

参考資料「アンケート結果グラフ9_10」

参考資料「アンケート結果グラフ11」

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

【掲載】2014年08月22日