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[インタビュー]病医院職員へのコミュニケーション教育

組織機構で患者サービス部門を位置づけ 専門職としてのコンシェルジュを登用

─ところで各病院では4月から新入職員が入職し、新人研修会も既に行われていますが、冒頭ではどのような意識付けからスタートされるのでしょうか?

  新人研修も大きく分けて、技術対応と接遇サービスに関することの2つがありますが、私たち体系的な教育・研修に携わっている立場からすると、両者の比重は50%・50%と捉えています。私たちは後者を「接遇・応対」よりももう少し広い概念で、「人的サービス」と捉えています。要するに病院が有する技術的サービスを、患者さんが一番望まれる形で具現化するのが人的サービスの基本と考えています。技術的サービスと人的サービスは車の両輪で、どちらが欠けても良質の医療を提供することは出来ないし、患者さんの評価を得ることは出来ません。  人的サービスの部分は病院のサービス委員会が機能していれば、そこで体系的な教育・研修システムを計画することになりますし、私たち外部講師の活用や、病院内で接遇インストラクターを育成する等、病院の実情や経営環境に合った色んな方法が考えられるでしょう。私たちが外部講師として呼ばれた場合には、第一回目でこうした基本的な考え方から入るのが一般的です。

─インストラクター養成の話をされましたが、病院内でも接遇応対やサービスに対応する専従者が必要ということでしょうか?

  人員的に余裕があれば、そうすべきだと思いますし、私たち教える側もインストラクター養成には意義があると感じています。私たち専門家が最初に関与するのは、病院で一般研修を行った上で、インストラクターの適性がある方を「選ぶ」という作業です。
 接遇・応対のインストラクション研修を病院内で何回か実施し、実際に講師として登壇してもらい、私たちがパフォーマンスをチェックして、実地で色んなアドバイスを与えながら教育していく流れです。例えばこうした人材が育ってくれば更に発展し、複数の病院を運営する大規模医療法人等の場合、本部機能の中でサービス部門のスーパーバイザーとして位置づけ、病院全体で提供されているサービスを統括する責務を果たしていくことも期待されます。調剤薬局の世界では既に、スーパーバイザーが活躍しておりますし、そうした機能からコンシェルジュのような新しい職種が生まれる可能性もあるのです。

─病院の場合は外来受付に総合案内を置いているケースが見られますが、コンシェルジュのような専従者ではなく、看護師長や外来婦長の兼務が多いのではないでしょうか?

  コンシェルジュの仕事は、基本的に患者からの問いに対して、直ぐに回答を出さないといけない。単なるご案内役ではなく、患者視点に立ち、細かな心配りで患者の要望や苦情にもお答えしなければなりません。アウトソーシングではとても勤まらない仕事で、それなりの資質を要求されますし、一流ホテルの世界では専門職として定着しています。
 医療法人の組織機構の中で「患者サービス係」の部門を作り、スーパーバイザーや接遇インストラクター、更にコンシェルジュと等の機能と役職を、明確に位置づけていくことが求められます。病院の場合、技術系は組織化されていますが、患者サービスを担うスタッフについては、殆ど組織化が進んでおりません。クレーム処理の窓口等も、そうした部門の担当者に一元化して、患者サービスや患者のニーズ、要望等を全てお聞きし、速やかに対応していける組織づくりが肝要です。

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

【掲載】2011年11月25日