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第3回ネットワークの中で気付いたソーシャルワーカーの仕事

M市における老人福祉の課題

 M市の老人保健ネットワークに乗せてもらって1年経った頃、私自身も数十例の痴呆性老人宅への家庭訪問、数か所の特別養護老人ホームや老人保健施設での実習、地域ネットワーク会議への出席を積み重ね、ようやく自分自身に力がついてきて、この地域の痴呆性老人の置かれた状況が見え始めてきました。 すなわち、素晴らしい医療や看護、介護の中にあって、ずっと課題になっていたのが介護家族の組織作りでした。 また、痴呆性老人の昼間の生活の場が、市内に1か所あるデイケアセンターのみに任されていて、ケースは増えるばかりで施設は必死の受け入れをしていましたが、もはや限界が見えていました。 例えば、数か月前までは週3回デイサービスを利用していた人が2回に、2回の人が1回になっているという具合にです。

 かくして、私の中ではM市における老人福祉の課題は、1.老人介護者家族の会を組織することと、2.痴呆性老人を主とする要介護老人の昼間の生活の場を増やすことの2点に絞られていったのでした。その後の活動については、本講座の第1回と第2回を参考にして頂きたいと思います。

ネットワーク活動の中で見出したソーシャルワーカーの仕事

 私が配属された大阪府M保健所では、すでにその8年前から地域老人保健ネットワーク活動が展開されていて、関係省庁に至るまでの高い評価を受けていました。 M市でも、医療と看護、そして介護の力で、個別ケアを中心に老人福祉行政の柔軟な対応や施設の勇気ある受け入れによって、福祉的な展開がなされていました。 そんな地域に国の施策として組み込まれた痴呆性老人対策と、その担当者である相談員(ソーシャルワーカー)が、ネットワークの一員として新たに福祉的課題に出会い、そのアプローチの方法を創造していくプロセスを述べました。

 職種や機関を問わず、具体的に対象者の生活を向上させる支援を展開していた先駆者達から多大な刺激を受け、役割の自覚を促され、ネットワークに必要な職種としてソーシャルワーカーの役割を認識していったと考えられます。

以上