Home > 経営管理講座 > 第8次医療法改正で導入された「医療機関ウェブサイト」広告規制の全貌〜胎動する医療機関「ネットパトロール隊」 (PAGE 3)

第8次医療法改正で導入された「医療機関ウェブサイト」広告規制の全貌〜胎動する医療機関「ネットパトロール隊」 


治療結果成績は掲載可能だが「治療の効果性」を謳った広告はアウト

 事業がどのように進められるのかについては、厚生労働省と各自治体の消費者生活センター等が連携して、まずは消費者からの通報を受けた段階で、当該医療機関にメールで警告が送られてくることになる。

 前出の友田氏は「不適切なウェブ記載に対して同パトロール隊から警告が発せられ、その初期の警告段階で医療機関側が改善すれば、行政指導や罰則に至る事態は回避できる」と指摘する。加えて、同氏は「ウェブサイトについては外注する医療機関が多いと思われるが、プロバイダや広告代理店等は仮に大手であっても、中には医療広告の規制に関して不勉強な企業も多いので、注意が必要。今回の改正をきっかけに、医療機関も専門家の協力の下に自院のホームページやウェブサイトを今一度、点検して、外注先企業の変更等も含めて、リニューアル等を検討した方が良い」と強調する。更に、「最近、医療機関等で流行のYouTubeを使った情報発信は、ほぼ全て外注していると思われるが、その内容をつぶさに検証すると、不適切な表現等も散見されることがある。YouTubeの動画サイト等についても業者へ任せきりにしないで、チェックすべきだ」と注意を促している。同パトロール隊は自主的な見直しを行なわなかったり、警告に従わない医療機関に対し、所管する自治体に情報提供を行って当該自治体が追跡調査を行っていくが、それでも改善されない場合は、前述のような罰則の対象になるのは間違いない。

 また、監視や行政指導の対象になるのは、医療機関だけでなく外注先やホームページを制作するプロバイダ、広告代理店、企画制作会社等も同様であり、警告後の改善が見られない場合は、罰則の対象となる。インターネットのバナー広告について付け加えると、医療法やガイドラインで認められた「広告が可能な事項」であればОKだが、そうでない場合は監視・行政指導の対象になる。

 それでは、どのような医療広告が行政指導の対象になり易いのだろうか?

 友田氏は「基本的に踏まえておくべきは当該医療機関の実施した“治療の効果性”をホームページ上で謳った広告は、誇大広告とみなされる可能性が高い。医療サービスの受療者には皆、個人差があり、同じ処方や術式であっても治療効果は一律ではなく、人それぞれによって違う。100%成功する保障のないのが医療サービスであり、そのことは厚生労働省の『医療広告ガイドラインに関するQ&A』にも明記されている」と説明する。

 同ガイドラインでは「治療効果については個々の患者の状態等により、結果は異なるものであり、実際の医師や歯科医師の診断に基づいて、個々の患者の病状に応じて説明すべき事項」として「効果については誤認を与える恐れのあることから、広告可能な事項にはなっていない」との趣旨が書かれている。

 それを前提に、同氏は「大原則として保険診療を主体とする医療機関はホームページに記載する文章では、当該医療機関が提供した医療に関して、ストレートな“治る”とか“完治する”と言った表現は避けるべき。美容外科等、自由診療を主体とする医療機関の中には、平気でそれに類する表現を使ってきた施設が多く見られたが、今後はアウト」と指摘する。一方、病院がエビデンスに基づいたクリニカル・インディケーター(臨床指標)をホームページ上に掲載することは、広告規制に全く抵触しない。

 厚生労働省も「医療機関の情報公開を推進する」立場から、手術件数や術後生存率、死亡率等の治療成績は積極的にディスクローズすべきとの立場である。同ガイドラインでも「治療分析を行っている旨及び当該分析の結果を提供している旨」については、「広告可能」と明記されている。