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戦略的病医院広報誌のつくり方
〜コミュニケーション及び情報発信の「核」として位置づける


広聴活動の進化が病院広報の課題
院外広報誌に対する高い信頼度

グラフ 図1 実施している「広報活動」

 医療機関の企画広報担当者の育成や、医療広報の機能評価事業を行っているNPO法人「日本HIS研究センター」によると、病院広報を「病院などのヒューマン・サービス業が、広く社会から信頼が得られるよう、社会の要望に耳を傾け、互いの利益のために情報を伝えようとする包括的な組織活動」と定義している。
 そして広報の働きとしては、①自らの考えや行動を積極的に広く社会に伝える②伝えた情報の反応を分析し、自らのスタイルを確かめる(聴く)③その活動の対応と継続により信頼感を創成する(変える)の3点が重要になる。要するに積極的に情報発信し“伝える”だけでなく、“聴く”という広聴活動が付加され、病院を“変えること”により、「医療の質」向上に結実して始めて、広義の広報活動が達成されることになるわけだ。
 参考資料の図(PAGE3)は同研究センターが会員139医療施設に行ったアンケート調査結果だが、200床未満の施設には一部、小規模診療所も含まれている。(図1)の広報活動に関して一番多いのは「ホームページの運用」で94%を超えており、「院内掲示版の設置」(約82%)、「案内パンフレットの設置」(約80%)と続く。「対外広報誌の発行」は約74%、「院内広報誌の発行」は約63%の施設が実施し多数を占めており、同研究センターの会員病院が広報に対する意識の高い施設が多いことを考慮すると、ある程度、予想され得る結果だ。

グラフ 図2 実施している「広聴活動」

 一方実施している広聴活動(図2)に関しては120件の回答しかなく、「院内ご意見箱の設置」は殆どの施設が導入しているものの、「外部監査組織の設置」や「患者・地域公聴会の開催」等、外部視点を導入したコンプライアンスの改善に積極的な所は少なく、広聴活動の進化が医療広報の今後の課題と言えそうだ。また重点的に実施している、或いは効果の上がっている広報・広聴活動(図3・4)に関しては、「ホームページの運用」に次いで「対外広報誌の発行」が、回答として最も多かった。インターネットを中心に医療機関の情報提供ツールが多様化する現在でも、紙媒体に対する信頼性の高さがうかがえる。

図3 重点的に実施している、図4 効果の上がっている「広報」「広聴」活動

 コンピュータ等の情報通信機器が機能停止に陥った東日本大震災で、紙媒体の“お薬手帳”が力を発揮したことから、医療界で改めてアナログ的な紙媒体の必要性と言うものが注目されている。コンピュータに不慣れな高齢者にも親しみやすく、手触り感のある広報誌が地域に医療施設の理念を浸透させ、アイデンティティを明確に打ち出せるツールとして再評価のきざしにあるのだ。戦略的な広報誌の作り方と、効果的な活用の仕方について、病医院広報の専門家である同研究センター事務局長の石田章一先生に話を伺った。