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「特定健診・特定保健指導」の全容と健診事業の経営戦略

実施主体となる医療保険者に対して 受診率によりアメとムチを用意

 医療費適正化政策の一環として、2008年4月より実施される「特定健診・特定保健指導」。企業の健康保険組合等医療保険者が実施主体となり、「40歳〜74歳の被保険者・被扶養者を対象に、糖尿病等生活習慣病の予防に向けた健診・保健指導」を行うことが義務付けられるようになりました。
 厚生労働省は同制度がスタートして5年後の2012年度末までに、①予備軍を含め、現在約2000万人と推計されるメタボリック・シンドローム(代謝症候群)を10%減少させる②健診の受診率を70%にする③保健指導を必要とされた人への実施率を45%程度にする〜等の目標値を設定。「受診率70%」の目標実現に向け、同省は2013年度以降、各医療保険者(政管等は各都道府県支部ごと)間の数値を比較し、「高い保険者に対しては、後期高齢者医療支援金の減算、低い保険者に対しては加算を行う」というアメとムチを用意しました。要するに受診率が低く成績の悪い企業の健保組合等に対しては、ペナルティとして追加負担金を求めていく方針です。
 ところで医療機関は、健診と保健指導の両方を実施しなければならないのかと言うと必ずしもそうではなく、他の医療機関や企業との連携による提供も可能とされています。保健指導は対象者によって「動機付け支援レベル」と「積極的支援レベル」に分かれ、前者は本人と共に行動目標と行動計画を作成。6ヵ月後に達成されたかどうかが評価されます。後者は行動目標や行動計画に沿って、3ヶ月以上、継続的な支援を行う形になります。
 保健指導を行うには統括者が必要で、常勤医師の他に保健師・管理栄養士等が該当します。また統括者の他に保健指導の実施者も必要となり、指導スキルのある健康運動指導士、栄養士等が該当しますが、最初の5年間は看護師でも構わないとされています。
 医療機関にとって関心の高い「価格設定」に関して、健診事業に詳しい医療経営コンサルタントは「一般的に単価は特定健診の場合5000円位、特定保健指導は3万円から6万円位の幅が出てくるのではないか。将来的に民間企業の参入が加速すると、価格競争が起こる可能性がある」と予測しています。仮に価格競争が起こったとしても、それに負けないだけの「サービスの質」が担保されていることが重要でしょう。