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医療連携の要諦と新しい潮流(2)

円滑な医療連携を達成するための3つのキーワード

 「医療連携」には、重要な3つのキーワードがあります。全国各地の成功事例を見ても、この3点が円滑に達成されて初めて、“地域医療の質向上”がもたらされるケースが多いのが分かります。
 1つ目は地域の中核病院が開業医に対して、他にはない魅力を発揮することにより紹介患者を増やしていくという『前方連携』。2つ目は病院内の『院内連携』で、病院がこれをスムースに行えるかどうかで、病院のステータスも決まりますが、そのカギを握るのが「病診連携室」スタッフの働きです。民間病院の場合は特に、理事長や院長が「病診連携室」の役割の重要性を認識し、有能な人材を配置し権限委譲を果たしているか否かで、同連携室のパフォーマンスには相当の差が出てきます。いくら有能な院長がリーダーシップを発揮したとしても、連携は院長一人の力だけでは不可能です。医療連携もチームアプローチなくしては、成り立ちません。
 3番目が『後方連携』で、高機能病院を退院した後のフォローがきちんとシステム化されていなければ、平均在院日数を(高度急性期病院の目安といわれる)2週間以内に持っていくことは不可能です。現在、見直しが検討されていますが、厚生労働省が打ち出している3年後の介護型療養病床(約13万床)全廃、4年後の医療型療養病床(約23万床→15万床)までの削減方針は、『後方連携』推進の大きなネックになるのは言うまでもありません。急性期病院を退院後、リハビリテーションや在宅復帰、介護老人保健施設への入所等が困難な慢性期高齢患者に対して、その受け皿としての療養型病院が果たしてきた役割は非常に大きく、「急性期病院→療養型病床群」という病病連携の流れが、阻害されることが危惧されます。特に一部の公的病院等しか高機能病院がなく、高齢化が進み急性期病床の少ない地方都市では、尚更のこと影響が大きいと予測されます。具体的には、「(脳外科専門病院等の)中小一般病院→中小療養型病院」という連携の流れがストップすることにより高齢入院患者の行き場がなくなり、中小一般病院の病床稼働率が顕著に低下し、経営悪化に追いこまれる事例も出てくるのではないでしょうか。