診療報酬 第3章 「基本診療料(特定入院料と他科受診)」
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2.入院中の患者の他科医療機関への受診について
(1)入院中の患者の他医療機関受診の取扱い
入院中の患者に対して、当該医療機関(入院医療機関)で診療を行うことができない専門的な診療が必要となった等のやむを得ない場合に限って、入院中の患者が他医療機関(外来医療機関)を受診した場合に、他医療機関において当該診療に係る費用を算定することができます。
なお、平成22年度改定では、算定要件であった「入院医療機関に専門的な診療科がない場合に限って」が「当該医療機関(入院医療機関)で診療を行うことができない専門的な診療が必要となった等のやむを得ない場合に限って」に変更され、算定要件が一部緩和されています。
入院中の患者が他医療機関を受診する場合には、外来医療機関に対して診療に必要な診療情報(算定入院料及び必要な診療科を含む。)を文書により提供するとともに、診療録にその写しを添付することが必要です。なお、これらに要する費用は入院医療機関が負担することになります。
(2)入院医療機関の取扱い
平成22年度改定前までは、診療報酬上で包括評価されている特定入院料算定病床の算定患者に対してのみ入院中の患者が他医療機関を受診した場合の取扱いが定められており、基本点数を70%減算した点数により算定することになっていました。
平成22年度改定では、入院患者の他医療機関を受診に関しての取扱いが、以下の通り整理されました。
1)出来高病床(入院基本料等算定病床)の入院患者
入院基本料等の算定病床の入院患者が他医療機関を受診した場合は、平成22年度改定で精神病棟入院基本料等の基本点数の30%を減算した点数により算定することになりました。
2)特定入院料算定病床の入院患者
- 【他医療機関が特定入院料に包括されている診療の費用を算定する場合】
- 特定入院料算定病床の入院患者が他医療機関を受診し、他医療機関が特定入院料に包括されている診療行為の費用を算定する場合は、特定入院料(精神療養病棟入院料等)の基本点数の70%を減算した点数により算定します。
- 【他医療機関が特定入院料に包括されている診療の費用を算定しない場合】
- 特定入院料算定病床の入院患者が他医療機関を受診し、他医療機関が特定入院料に包括されている診療行為の費用を算定しない場合は、平成22年度改定で特定入院料(精神療養病棟入院料等)の基本点数の30%を減算した点数により算定することになりました。ただし、特定入院料の30%減算の点数を算定する場合は、他医療機関の診療報酬明細書の写しを添付して診療報酬を請求することが必要です。
特定入院料に包括されている診療行為の費用とは、特掲診療料に限られていますが、精神科関連の特定入院料は精神科専門療法以外の特掲診療料(検査や画像診断等)がほとんど包括されているため、30%を控除した点数を算定できる場合は限られていると考えられます。
3)DPC対象病院の入院患者
DPC対象病院の入院患者が他医療機関を受診した場合は、平成22年度改定で入院医療機関であるDPC対象病院が他医療機関で行った診療行為の費用(初・再診料)あるいは包括外部分の診療行為の費用を全て算定し、入院医療機関から外来医療機関に合議の上で精算されることになります。そのため、他医療機関が提供する診療行為によっては診断群分類が変更される場合があります。他医療機関で行った診療行為の費用をDPC対象病院で請求することになりますが、DPCの評価体系を改善していく上でもデータを一元管理するために導入された仕組みと考えられます。
4)算定上の留意点
入院医療機関では、診療報酬明細書の摘要欄に「他医療機関を受診した理由」、「他医療機関で受診した診療科」及び「
(受診日数:○日)」を記載します。
なお、1点未満の端数があるときは、小数点以下第1位を四捨五入して計算します。
(3)他医療機関(外来医療機関)の取扱い
専門的な外来医療を行う他医療機関(外来医療機関)は、入院医療機関から提供される診療に必要な診療情報(算定入院料及び必要な診療科を含む。)を確認した上で、算定が可能な診療行為の費用を請求することになります。
1)出来高入院料算定病床及び特定入院料算定病床の入院患者
外来医療機関は、外来で行った診療行為の費用を算定することができます。つまり、基本診療料では初・再診料、短期滞在手術基本料1(短期滞在手術基本料2及び3は算定不可)を、特掲診療料では検査、画像診断、精神科専門療法、処置、手術、麻酔、放射線治療、病理診断を算定することができます。
そのため、特掲診療料の医学管理等(診療情報提供料を除く)、在宅医療、投薬・注射(当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日の投薬又は注射の費用は除き、処方料、処方せん料及び外来化学療法加算を含む)、リハビリテーション(言語聴覚療法の疾患別リハビリテーション料は算定可)の費用は算定することはできません。
ただし、出来高入院料を算定する病床の入院患者が他医療機関を受診した場合は、専門的な診療に特有な薬剤を用いた投薬にかかわる費用(調剤料、薬剤料、処方料又は処方せん料等)を他医療機関(外来医療機関)で算定することができます。薬局において調剤した場合には、当該薬局において調剤に係る費用を算定することができます。
他医療機関において院内処方を行う場合は、他医療機関が入院医療機関に対して処方の内容を情報提供することになります。他医療機関が処方せんを交付する場合は、処方せんの備考欄に、①入院中の患者である旨、②入院医療機関の名称、③出来高入院料を算定している患者であるか否かについて記載し交付することが必要であり、当該処方せんに基づき調剤を行った薬局は、調剤内容を入院医療機関に情報提供することになります。
また、入院患者に関しては退院時に診療情報提供料を1回算定することができましたが、平成22年度改定で入院中であっても算定要件を満たせば外来医療機関で算定することができるようになりました。
2)DPC対象病院の入院患者
平成22年度改定では、DPC対象病院の入院患者が外来医療機関で専門的な診療を行った場合の診療行為の費用を算定することができるようになりましたが、外来医療機関が診療行為の費用を算定するのではなく、診療報酬の請求はDPC対象病院が行うことになります。そのため、外来医療機関は診療行為の内容をDPC対象病院に情報提供を行い、入院医療機関であるDPC対象病院から外来医療機関に合議の上で精算することになります。
3)算定上の留意点
外来医療機関では、入院医療機関から提供された患者の診療情報の文書を診療録に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に「入院医療機関名」「患者の算定する入院料」「受診した理由」、「入院医療機関の入院中の診療科」及び「
(受診日数:○日)」を記載します。
なお、外来医療機関が特定入院料に包括されている診療行為の費用を算定しない場合は、平成22年度改定で特定入院料(精神療養病棟入院料等)の基本点数の30%を減算した点数を算定することができるようになったため、外来医療機関は入院医療機関に診療報酬明細書の写しを提供することになります。
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